オンライン調停の研修

今週は木曜にオンライン調停の研修がありました。

私は、東京司法書士会の調停センター「すてっき」に登録しています。
(このセンター名称を言うとき、ちょっと抵抗があるのは私だけでしょうか……)

これまで調停といえば、実施者の司法書士2名の立会いのもと、申込人と相手方が対面で行っていたのですが、当事者が遠方だったり外出が難しかったり対面では円滑な対話が難しい場合などにZoomでのオンライン調停もできるようになりました。
これもDXの一環ですね。(DXが「デジタルトランスフォーメーション」と呼ぶと知って、使いたくて仕方ないだけです)

調停では、実施者は(当たり前ですが)申込人・相手方どちらの味方もせず、双方が話をしやすいよう司会のように話を振ったり、会話を掘り下げたり…ということを行います。
これ、対面でも難しいです(一方ばかり話をさせてしまったり、険悪な雰囲気になってしまったり)。

それがさらにオンラインでとなると、誰が誰にむかって話しかけているかもわからないし、対面ならば伝わっていたかもしれないニュアンスや感情の動きも見えづらくなります。

今回、私はオンライン調停の研修は2回目で、前回は実施者役、今回は申込人役をやったのですが、話していくうちに体力、気力、集中力を奪われていくのを感じました……。
台本があるとはいえ、争いを演じるのはなかなかしんどいです。
とはいえ、前回の実施者役をやったときに比べたらだいぶ余裕はありましたが。

調停センター「すてっき」では、たとえば申込前相談が100件あったら、実際に申し込まれるのは半分の50件、相手方が調停に応じてくれるのはさらにその半分の25件、調停が実施されてお互いにとっての解決策が決まるのはまた半分の12件くらい…という現状があります。

実際、私は昨年いくつか調停の案件に関わりましたが、実際に相手方が調停に応じてくれた件には出会えませんでした。
それでも「話せば分かり合える」と私は思っている(裁判など法律の強制は最後の手段に取っておきたい)ので、今年もセンターから引き合いがあれば参加するつもりです。