いよいよ「相続登記申請義務化」<4.相続登記、申請までの流れ>

「相続が発生した。被相続人は不動産を所有していた。自分が相続人である。相続登記の申請の義務の対象であるらしい。では、相続登記を申請しようか」
となったときの大まかな手順をまとめました。

※数次相続や代襲相続がなく、追加資料も必要でない、もっともシンプルな例で説明しています。

●数次相続…被相続人の死後、さらに相続人が亡くなった場合
【例文】祖父が亡くなったあと、父が亡くなった。父の相続人である母と私たち姉妹が、祖父の遺産分割協議に参加することになった。
●代襲相続…被相続人が亡くなる「前」に相続人が亡くなったときに、その相続人が代わって相続すること。
【例文】祖父が亡くなる前に父が亡くなっていたため、孫である自分たち兄弟が「祖父の代襲相続人」として、祖母・叔父・叔母と遺産分割協議をする。

遺言は残されていませんか?

被相続人の遺言が残されている場合、まずは遺言が優先されます。
自宅を捜索、預かっている家族がいないかの確認、公証役場への照会を行いましょう。
遺言があり、遺言執行者が選定されているときは遺言執行者に被相続人が亡くなったことを知らせます。不動産の取得者(不動産を相続により得る人)が決まっていれば、遺言執行者が登記を申請します。

【→遺言による登記へ】※今回は解説しません

不動産の取得者について指定がない場合、その不動産については「遺言がない」ものとして、以降処理します。

相続人は誰?

被相続人の「生まれてから亡くなるまでの戸籍・除籍謄本(A)」を集め、相続人が誰かを調べます。また、「相続人の(被相続人の亡くなった後に取得した)戸籍抄本(B)」を揃えます。

※相続人が一度も結婚していない場合、(A)のなかに(B)が含まれていると思います。

分け方はどうする

法定相続分どおりの分け方

不動産それぞれにつき、法定相続分どおりに分けることに相続人全員が同意している場合。
この場合は、登記申請書を作成し、(A)(B)「不動産を取得する相続人の住民票(C)」「(申請時の年度の)不動産の評価証明書、課税明細書等の価格を証明する書類(D)」「登記されている被相続人の最後の住所が本籍と異なる場合は、被相続人の住民の除票(E)」を揃えます。
申請書には、(D)で計算した登録免許税分の収入印紙を貼付します。

【→法定相続分どおりの登記申請】

法定相続分とは違う分け方をする

遺産分割協議をする必要があります。「相続人の実印を押印した、遺産分割協議書(F)」「相続人の印鑑証明書(G)」を準備します。
登記申請書を作成し、(A)~(G)を揃えます。
申請書には、(D)で計算した登録免許税分の収入印紙を貼付します。

【→遺産分割協議による登記申請】