登記識別情報通知の表紙

現在、不動産登記をして、たとえば所有権の登記名義人になると「登記識別情報」という12桁の英数字のパスワードのようなものが法務局から発行されます。紙でも電子でもありますが、一般的には「登記識別情報通知」という紙の形式でもらうことが多いです。
このパスワードみたいなものは袋とじされていて(昔はシールでした)、開けないかぎり外からは見えないようになっています。

これ、昔で言うところの「権利証」です。
このパスワードみたいな英数字と実印と印鑑証明書がそろえば、手続き上、登記名義人を別の人に変えてしまうこともできるような重大な書類です。
(だから、袋とじは必要がない限り、絶対に開封しないでください!!!)

ただし、通知自体はA4サイズより少し小さめの紙切れ1枚。
これをお客さんにそのままお渡しするのもどうなんだろう……ということで、司法書士が登記の手続きを代理したときは、何かしらの表紙をつけることが多いです。
(※すぐ売買する予定があるときとか、業者さんが買主になったときなど管理上の都合で「無し」にすることもあります)

表紙としてよく見かけるのが、A3より大きめサイズの厚手の紙で、デザイナーさんの素敵な枠があらかじめ印刷されています。
ここに「お客さんの名前と物件の情報」を印字し、半分に折って、登記識別情報通知や注意書きなどをはさみこんで端をホチキスで留めて完成です。

便利な市販の表紙ですが、問題があります。
印字を事務所で行う場合、A3より大きい用紙でも手差し印刷のできる特殊な印刷機(ドットプリンター)が必要なんです。
常々、不動産売買や抵当権などの登記を日常的に行っている事務所であればいざ知らず、私はそうでもない。そしてドットプリンター、高いし、場所をものすごく取る。

ということで、私はA4サイズの特殊紙とカラーの製本テープを使っています。
これなら通常の印刷機でも印刷できるうえ、枠といっしょに物件などを印字するからズレる可能性が低いです。
物件が大量だった場合を除いて、たいていはこれで何とかなります。
枠のデザインも、季節で変えることができます(気づくお客さん、あまりいないだろうけど)。
今度のお客さん、どのデザインにしようかなーと考えながら法務局での手続きを待つのが、ひそかな楽しみなんでした。