法務局に出す書類と裁判所に出す書類、実は考え方が違います

「法務局に出す書類」と「裁判所に出す書類」では、実は考え方が逆になることがあります。

登記申請など法務局あての書類は
「重複していても、必要なことは必ず載せなければならない」
というルールがあります。
逆に言えば難しい案件だと「あれもこれも、念のためそれも添付しておこう」と書類が増えるように思います。

……いえ、申請して添付書類も出したあと、補正の連絡(訂正、追加書類の要請など)が来て対応に時間がかかりお客様に迷惑をかけるぐらいなら、とつい思ってしまうのです。
もちろん難しい案件の場合は事前に法務局側と打ち合わせしたうえで申請しますが、そうであっても、いざというときに「あ、これも付けたほうが親切では。わかりやすいのでは」と思ってしまいがちです。

一方で、裁判所へ出す書類。
簡裁訴訟代理権のある認定司法書士は、一部の裁判関連業務をすることができます。

登記申請では、必要な書類が不足している場合、補正の機会があります。
しかし裁判では、当事者が主張・立証しなかった事実は、原則として裁判所の判断材料になりません。

【自分で主張・立証しない=その事実は存在しないから、判断材料にしない】
が基本である一方、裁判で争っている内容に関係のないことをダラダラ書いたりすると多忙な裁判官がイラつくので(と書記官や元裁判官の方が講師をつとめる研修でよく聞きます。主題もボケるし、相手に余計な反論材料を与えかねない、と)、「必要かつ十分」な最低限のラインを探りつつ準備することになります。

私は今のところ、司法書士になってからは原告(訴えるほう)側の依頼しか受けたことがないのですが、相談時にいろいろお話いただいたものの
(ここの話は訴訟に直接関係ないから訴状に書かない)
と判断することも多く、できあがった訴状を見てお客様に
「これだけ? あの話は書いてくれないの?」
という反応をされることがあります。

そのたびに、難しさを感じるのでした。