どうする「デジタル遺品」?

乱読派の高橋が、「これは……!」と思った本の紹介です。個人的な備忘録でもあります。

「デジタル遺品の探しかた・しまいかた・残しかた+隠しかた」
著者:伊勢田篤史(弁護士・公認会計士)、古田雄介(ジャーナリスト)
発行所:日本加除出版株式会社

この本をお薦めしたい人

  • 別に詳しいわけではないのに、「親族のなかで一番できそうだから」という理由で故人のデジタル端末(スマホ、携帯、パソコン、タブレット等、インターネットに接続する機器)を預けられて途方に暮れている人
  • ちょっと見られたくないな……と思うモノが、デジタル端末の本体やそのブックマーク(お気に入りリスト)に入っている人

読みたいと思った理由

司法書士には守秘義務があります。
生きて廃業する場合は自分で処理できるからいいのですが、万が一のときに「抹消したい情報」と「特定の誰かに確実に引き継ぎたい情報」がどうしても出てきてしまいます。
……あと、仕事に関係ないところで、人目に触れさせたくない写真や文章やブックマークがあります。(誰にでもありますよね?)

自分が捜索する側になった場合・捜索される側になった場合、どちらにも備えたいと思ったので、この本を手に取りました。

感想

スマホやパソコンなどのデジタル端末には、たくさんの情報が入っています。

■葬儀に誰を呼ぶか…スマホや携帯電話のアドレス帳、年賀状の宛名リスト
■遺影に使う写真…スマホや携帯電話のデータフォルダやMicroSD、パソコンのフォルダ
■相続財産の調査…スマホや携帯電話のブックマーク(お気に入り)、銀行アプリ、家計簿アプリ、メール履歴
■デジタル遺品の調査…インターネット上のアカウント(ID、パスワード)

本では、このデジタル端末に残っている情報や、端末からインターネットで接続した先で行った活動の履歴やアカウント情報を「デジタル遺品」と呼んでいます。
本は、デジタル遺品を調査する遺族側の目線で書かれています。
捜索する側としては「ロック解除ができるか」が最初にして最大の関門だと感じました。
捜索される側としては
「遺族が必要な情報は一つの端末にまとめて、そのパスワードが死後確実に伝わるようにし、無用な(自分にとって都合の悪い)情報はそもそも捜索されないようにする」
のが鍵だと感じました。